ウイルスと細菌
人間から見た病原体とは、ウイルス・細菌・真菌・寄生虫に分けられます。
細菌は我々の体を構成する30~60兆個の細胞の10倍もの数が体に存在します。
殆どが常在菌と呼ばれるもので、外界とのバリヤー機能を果たしています。皮膚の常在細菌は病原性の高い細菌の侵入を防いでいます。常在菌が最も多い腸管では善玉の細菌叢が過剰な免疫反応を起こさないよう守ってくれます。一方、常在ウイルスというのは確かにいるのですが我々の体を守る、ということにはなってないようです。
ウイルスと細菌、どちらも病原体のような響きですが、大きな違いがあります。
サイズとして、ウイルスは10~100nmに対して、細菌は1~10μmで、細菌の方がウイルスより100~1000倍大きいのです。
次に増え方です。細菌は自分自身で増殖する力がありますが、ウイルスは人間の細胞内に入って初めて増殖できます、しかも細胞を次々と破壊しながら。そして人間が死んでしまうとウイルスも増殖できなくなり死滅します。
細菌は抗生物質が効きますが、ウイルスに対してはごく一部しか抗ウイルス薬はありません。
最近がん患者が増えた、と言われますが、それはほんの10~20年前からのことで、それまで人類は感染症との闘いでした。
14世紀のペストでは世界人口の約3分の1が死亡しました。ペストは細菌ですので、抗生物質が発見された今は何とか大丈夫なのでしょう。
厄介なのはウイルスです。治療法がない、人間の抵抗力を上げれば敵は対抗してくるし、変異を起こすのでワクチンを開発しても完全ではありません。
1918年のスペインかぜはH1N1型インフルエンザウイルスによるものですが、若年成人の死亡率が高くなったようです。今と違い栄養失調や劣悪な衛生状態により細菌感染を併発し死亡率が高くなったとされています。
そして今回のコロナ。集団免疫ができるまで完全にはおさまりそうにありません。それにはワクチンがなければ60~70%の人の感染が必要だそうですが・・・。
ただしコロナに対する偏見・差別など、身体的リスク以上に我々の思考が侵されている気がします。インフルエンザの10倍死亡する恐ろしいカゼが流行ってしまいました。しかし中世や戦前と違い我々の栄養状態、衛生状態は良好なのです。医療レベルも格段に違います。
コロナにかかってしまうのはある程度は仕方ないことです。感染ピークが重ならないよう外出自粛や経済活動の一時停止が最も重要ですが、しっかりと栄養素を補給して、感染予防対策をすることや、かかった時でも重症化防止に努めることも重要なのです。
以下の動画は国際オーソモレキュラー医学会からの提案です。