オンライン診療

当院では初診を含め、オンライン診療に対応しております。
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コロナウイルス感染拡大に伴いオンライン診療が注目されてきました。
オンライン診療とは情報通信機器を用いて患者を診察し薬など処方する方法です。
X線、超音波検査、あるいは処置に関しては当然オンライン診療ではできません。

現状は高血圧や糖尿病などの慢性疾患で通院中の患者さんに対して3カ月に1度は来院していただき、安定していればその間はオンライン診療でも可能、というものです。いろいろと条件があり、条件をクリアできれば保険診療が認められるのです。
では健康保険関係なしに行う自由診療ではどうか?ということですが、こちらも初診時は必ず対面診察が必要となっています。少し詳しく述べます。

遠隔診療の規制は3分類されており、オンライン診療受診勧奨相談の3つです。
オンライン診療は初診対面、薬剤処方は対面後、再診以降はオンライン可。
受診勧奨は、どこに行け、あれを摂れ、など。完全オンライン可です。
相談は一般論のみ、医療相談のようなものでビデオ以外にメールでも可です。

オンライン診療では保険診療においては3カ月に1度は対面診察が必要で、しかも医師はクリニックに居ないといけないのです。クリニック以外からの保険を使ったオンライン診療はダメです。一方自由診療においては初診時に対面すればあとは医師の計画次第、どこからオンライン診療をおこなってもよいのです。

4月1日に、政府は初診患者においてもオンライン診療を検討している、との報道がありました。全世帯にマスク2枚配布の報道と同様、エイプリルフールかと思ってしまいました。

医師法20条の規定。「医師は、自ら診察しないで治療や処方箋を出してはならない」との定めあり。
医師法ができたのは携帯もスマホもない時代で、現代においては当てはまらないかもしれません。ただし医療の大原則は医師と患者の信頼関係に基づく対面診療であることは今も昔もかわりません。

コロナウイルス感染拡大に伴い一般の患者、医療者の感染リスクを減らすために、対面診療による感染リスクと、オンライン診療による他疾患見逃しリスクを天秤にかけて検討しているのでしょう。

我々医師は初診で来院された患者さんは、限られた時間ではありますが、しっかりと観察します。話を聞くこと以外に、しぐさ、におい、今までの生活環境を把握し、体に触れて診察することで、具合の悪い方に関しては、この状態のまま様子を見てよいかどうか、すぐに精密検査すべきか。経験をもとに判断します。スマホでは捉えられないものが多いのです。

アレルギー性鼻炎や眠れないと訴える初診の患者さんに対してオンライン診療で薬を処方することはできても、発熱、腹痛を訴える患者さんをオンラインの画面のみで判断するには限界があります。
○○が痛いですか?我慢できれば明日病院に行ってください、あるいは我慢できなければ救急車を呼んでください、などせいぜい上記のオンライン相談や受診勧奨どまりでしょう。
一方、安定した慢性疾患でウェアラブル端末や持続自己血糖測定器で自分の体の状態をしっかり把握できる方に関してはオンライン診療で十分だと思います。そして3カ月に1度病院に出向くからには得るものがないといけません。医師も従来のように薬を処方するだけの診察から、患者さんに、病院に来て良かったと感じていただけるプラスアルファの価値を提供しなければならないと思います。

オンライン初診の話が今後どうなっていくのか静かに見守りたいと思います。

阪急御影