眠れない人のサプリ
寝付くのに数時間かかる、目が冴えて一睡もできない。そんな方は読まずに病院に行って睡眠薬をもらいましょう。
睡眠は1日の1/3から1/4を占め、日々の活動の準備時間で、心身共に疲労を回復させます。浅い睡眠は成長ホルモンが十分出ず体の修復がうまくいきません。
睡眠は約90分の周期で一晩に4~5回繰り返されるのが正常です。レム睡眠(夢をみる睡眠)とノンレム睡眠(脳の休息)に分けられます。寝付くとノンレム睡眠から始まり一気に深い眠りに入ります。そこで脳を休憩させ、その後眠りが浅くなりレム睡眠に移行します。この時夢を見ます。この時脳は活発に動いており記憶の整理や定着をさせます。レム睡眠では体が弛緩して動かないのが普通です。
睡眠の最初の2周期で十分レムとノンレム睡眠がとれると、睡眠時間が短くても意外と元気なのです。
眠れない人のサプリとしてGABA、グリシン、テアニン、メラトニンなどがメジャーです。ヤ〇ルト1000もありましたね。
GABAは体内にあるアミノ酸のひとつで抑制性の神経伝達物質です。グルタミン酸から作られ、興奮を落ち着かせ、ストレス緩和、睡眠の質を整えるブレーキ役です。一方のアクセル役はアドレナリン、ドパミンです。GABAのもととなるグルタミン酸もアクセルとして働きます。GABAはブレーキ、アクセルの調整役としても働いているのです。気持ちを落ち着かせ、リラックスを促し入眠までの時間を短くします。血中の成長ホルモン濃度を高めるという報告もあります。ただしサプリのGABAは血液脳関門を通過しないので効果なし?と言われることもあるのですが、腸にもGABA受容体があり脳と腸をつなげる迷走神経を経由し脳を刺激。腸から脳に伝わりGABA産生は高まると考えられています。
グリシンはアミノ酸のひとつで、生体内ではセリンより生合成されます。赤ちゃんは眠る前に手足がポカポカしてきます。大人でも眠くなると手足がポカポカしてくるのはよくあることです。一方手足が冷たい冷え性の人は寝つきが悪いことが多いです。眠るときには脳がオーバーヒートしないように深部体温を下げます。下げないと深く眠れないのです。グリシンの摂取により末梢血流が増加し熱放散を促し、脳の深部体をが低下させ、睡眠の質を向上させることが示唆されています。
テアニンはカテキンと同じくお茶に入っている成分です。テアニンはうまみ成分、カテキンは渋み成分といわれ高級なお茶ほどテアニンが多いようです。このテアニンには交感神経抑制を介したリラックス効果があるとされており、実際健常人に対して行った試験ではテアニン摂取群で睡眠の質の改善、中途覚醒の減少が認められています。
メラトニンは以前の「メラトニンのすすめ」としてブログでもご紹介しています。
メラトニンは脳の松果体から出るホルモンで体内時計として、睡眠・覚醒のリズムをコントロールしており不足してくると深い睡眠が障害されます。そこでサプリとして補充するのです。安全で依存性はありません。
使い方としては寝る1時間ほど前に服用します。
使用量は個人差があるのですが、最初は1-2mgから開始するのが無難でしょう。熟睡できないようなら徐々に量を増やし20mg程度までは全く問題ありません。
メラトニンにはエネルギーの活性化、ナチュラルキラー細胞の増加、強い抗酸化力など睡眠以外にも有用な作用があります。
ひとつ、メラトニンの副作用に悪夢があります。人によっては大したことない夢ですが、耐え難い場合もあるようです。個人的にはメラトニンを服用した際に、たまにですけど、取り返しのつかないことをした夢や、医師国試にどうしても通らない夢を見ます。(←これはメラトニンとは関係ないかも)
皆さんの好きなヤク〇ト1000は睡眠の質向上をうたった機能性表示食品です。現在品薄です。正式なサイトでは新規受付中止でネットでは3~4倍の値段で取引されています。ただし睡眠薬ではないですよ。高濃度の乳酸菌シロタ株が腸に作用し、腸と脳との懸け橋である神経系を調整します。ストレスがかかると高まる交感神経の活動を抑え、迷走神経を活発にすることで、ストレス緩和、睡眠の質の向上ということです。飲んでみた感想は、普通の〇クルトよりサイズが大きく、味が濃く、確かにいい感じです。
睡眠サプリは各社から様々販売されています。GABA、テアニン、グリシンが混ざっているものが多いようです。自分に合ったものを選んで飲んでみて下さい。品薄のヤクル〇は腸にも良いのでお勧めです。それでも無理な場合はメラトニンを入手、どうにもならない場合は睡眠薬の出番ですね。
ただしサプリに頼るというよりもまずは自分でできること、眠前にyou tubeで脳を刺激しない、夜中の心配事を作らないなどをしたうえで、サプリを見つけましょう。