女性を守るエストロゲンと同様にプロゲステロンも重要なホルモンです。
前回のブログでもお話ししましたが、女性は卵巣機能の低下とともに更年期以降エストロゲン、プロゲステロンが激減します。その結果として更年期以降、動脈硬化・骨粗鬆症・認知症などが増加してくるのです。

プロゲステロンは卵巣で作られ、更年期にはほぼゼロまで低下します。
プロゲステロン受容体は子宮・乳房・血管・脳の他、体内のあらゆるところに存在するので子宮摘出を受けた人も含めてすべての更年期女性に必要です。
プロゲステロンは更年期症状の緩和、月経前症候群（PMS）諸症状の軽減だけではなく骨粗鬆症、乳がん、心臓疾患の予防にもなります。ただし合成プロゲステロン（MPA）はエストロゲン受容体を過度に刺激することで乳がんリスクの上昇、血栓症増加など悪影響を及ぼします。

天然（バイオアイデンティカル）プロゲステロンは経口の他、クリーム、舌下があります。クリームは更年期症状改善効果はあるのですが血中濃度は上昇しにくいです。経口の場合エストロゲンと同時に飲むとエストロゲンの吸収が悪くなり、またGABAにきいて少し眠くなるので、エストロゲンは朝、プロゲステロンは夜のむのが良いとされています。

女性への天然の女性ホルモン補充は女性にとって好都合なことばかりです。では男性に補充したらどうなるか？男性では女性ホルモン補充により体内の炎症を上昇させるので禁忌です。

女性は約50歳で閉経します。女性の平均寿命は男性よりも約６年長い87歳です。女性は月経期間中は慢性的な鉄欠乏状態にあり、そのためフルーラジカル発生が抑えられるから寿命が長い、とも考えられています。ただし閉経後35年程度は女性ホルモンに守られずに生きていかなくてはなりません。天然のエストロゲン・プロゲステロンを上手く、長期にわたって補充することで、その後起こってくる動脈硬化・骨粗鬆症・認知症を少しでも減らすことができればと考えています。

乳頭温泉鶴の湯2020
（大雪の前で良かった😌）