感情を左右する物質

やる気、不安、幸せ、怒り、悲しみ、などさまざまな感情が私たちの人生を形成しています。
脳内のシナプスで合成された神経伝達物質と呼ばれるものが、脳内において細胞から細胞に情報を伝え、興奮、鎮静を調整し複雑な精神活動を可能にしています。

神経伝達物質は多数ありますが代表的なものとしてドーパミン、セロトニン、GABA、アセチルコリンがあります。

ドーパミンは快楽に関係します。過剰になると実際に存在しない刺激が現れ(幻視、幻覚)、低下すると意欲が低下し体が固まってしまいます。(パーキンソン様)

セロトニンは気分に関係します。不足するとネガティブ思考が増え、不安になったり、訳もなく悲しくなったりします。過剰になると興奮、緊張、頭痛、発汗などがおこります。

GABAはストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きをしています。

アセチルコリンは脳内では記憶と関係します。

これらの神経伝達物質が気分、感情を調整しています。

ここからが重要で、神経伝達物質は我々が食べたものから作られます。栄養が不足していると当然神経伝達物質が十分に作られず困ったことになるのです。
神経伝達物質の生合成にはアミノ酸を原料としてビタミンB群(特にナイアシン、ビタミンB6)や鉄、マグネシウム、銅など多くのミネラルが必要です。
ビタミン、ミネラルが不足していると気分の変調をきたして調子悪くなるのはこのためです。

普通に生活していてもビタミン・ミネラルが急速に不足してくることがあります。成長期、妊娠・出産です。
思春期の憂鬱、反抗は自らの体の成長のために栄養素が使われてしまい、脳内伝達物質の十分な合成まで栄養素がまわってきません。またマタニティーブルーも赤ちゃんに栄養が吸い取られてしまい母体の脳内伝達物質が不足することでおこるようです。
いずれも十分量のビタミン、ミネラルをとることが必要です。
老年期になると胃酸が不足しタンパク質を摂取しても吸収しずらい状況となります。この場合でも神経伝達物質の原料が不足するわけですから気分に変調をきたします。

毎日元気に生きるためにはしっかりとした食事が必要なのです。


A380  LAX