ビタミンC

栄養療法とは、健康増進のためにサプリメントを摂ることとではなく、薬理学的効果が期待できる量を使用することです。

ビタミンCも個人差、使う目的によって量が違います。

ビタミンCの歴史は大航海時代の壊血病の発症から始まりました。水夫が壊血病になったとき昔の傷口が開いたのです。ビタミンC不足でコラーゲン産生が出来ないことが原因でした。

ある研究で、モルモットに傷をつけてそこに過重をかけ、傷のふさがり具合を観察した実験があります。モルモットのビタミンC摂取濃度が高い程、傷に過重をかけても傷がふさがったという結果でした。

水溶性のビタミンCをたくさん摂っても尿に出るだけ、という意見があります。しかし体内には優先的にビタミンCを必要とする臓器があるのです。血液中を1とすれば副腎は150倍、白血球は80倍、脳は20倍のビタミンCを必要としています。
壊血病を防ぐ、すなわち最低限のコラーゲン産生に必要なビタミンCは100mgかもしれませんが、その量しか摂取しなければ優先的に副腎(ストレス臓器)、白血球(免疫)に使用され、みんなが期待する美肌は後回しにされます。

一般的にいわれているビタミンCの必要量です。
・壊血病を防ぐ、コラーゲンを作るには1日100mg。これは国が勧める摂取量です。
・感染を防ぐ、白血球を働かせるには1日1-10g。
・副腎疲労には1日数10g、癌には1日100g必要と言われています。

目的と個体差によって使い分けしないといけません。

ビタミンCを経口で摂取すると腸粘膜からの吸収には限度があります。通常10g摂取すると下痢します。ただし需要が亢進しているような状況、カゼ、うつでは腸の吸収閾値が若干上がってきます。ただし点滴で入れるとビタミンCはすべて血液中に入ります。
ビタミンCだけは点滴でいれるのがいいのです。

人間の祖先の猿はジャングルを渡り歩いてビタミンCを1日7g摂取するといわれます。人間はなぜかビタミンCを作ることができません。外部委託してしまったのです。

ヤギは1日14gのビタミンCを作りますが、カゼひくと100gも作ります。
犬、猫もビタミンCを自分で作れますがせいぜい500mg程度です。ペットの犬、猫は野生と違ってストレスが多く少量のビタミンでは副腎のストレスに対する備えが不十分なのです。10歳過ぎると癌で死ぬことが多いようです。

では人間は厚生労働省が勧める1日100mgでよいのでしょうか。良いはずはありません。

ということで皆さんビタミンCをどんどんとってください。