インフルエンザの話

インフルエンザのお話しです。
インフルエンザにはA、B、C型の3種類あり流行するのはA型とB型です。
まず年末からA型が流行し、年が明けてからB型が流行するのが普通です。
高熱が出て非常にしんどいのですがカゼと違って治療薬があります。ただし小児や高齢者で重症化することがあるので要注意です。
ただ今年はインフルエンザの流行が統計開始以降2番目に早いのだとか。
クリニックでもわずかですがA型インフルエンザがでています。
一方10月中旬から始まったワクチン接種は今がピークです。

インフルエンザワクチンは当たり前ですがインフルエンザの発病防止のために接種します。毎年、流行が予測されるウイルスに合わせて、厚生労働省の指導のもと、インフルエンザワクチンが製造されています。ウイルスはどんどん進化し変異しますので、当たりはずれがあり、毎年効果が違うのです。
実際どのくらい効果があるかは、実はわかっていません。日本は先進国の中でワクチンの発病防止効果を報告していないのです。正しいデータがなく、中核となるセンターがそれぞれ独自に統計をだしますのでネットを見てもすべて数字が違うのです。

ワクチンの効果を考える上でインフルエンザウイルスを、A型の代表であるH3N2(香港型)、A型の亜型であるH1N1、そしてB型の3つに分けてみます。海外のデータではA型香港に対して約30%(変異あり、なしでの平均です)、A型H1N1は約60%、B型で約50%の発病防止効果があるとされます。A型香港に対しては効果が弱いのです。ワクチン製造時にすでに鶏卵内で抗原変異が起きてしまうからです。

次に年齢です。A型H3N2(香港)は小児、特に1~5歳に対してはワクチン効果が高いですが小学生、中学生になるにつれ効果が低くなります。高齢者も効果は低いようです。A型H1N1とB型は成人、高齢者に対しても効果は高いです。
概ね全体的には小児、成人ともに50%程度の発病防止効果があるとされます。

インフルエンザが重症化し入院となるのは小児、高齢者です。A型H3N2は高齢者に細菌性肺炎を合併することもあり、ワクチン効果が多少低くても予防はしておくべきです。
なお小児はワクチン効果が高いことがわかっていますので小児のワクチン接種は重要ですね。

向洋中学校 秋色