幹細胞について

幹細胞についてのお話です。
幹細胞とは、自己複製能と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞のことです。この2つの能力によって、発生や組織の再生などを担う細胞であると考えられています。
主に胚性幹細胞(ES細胞)、成体幹細胞、iPS細胞の3種類に分けられます。

今回は成体幹細胞(組織幹細胞や体性幹細胞とも呼ばれます)の話です。
成体幹細胞は人間の体のいくつかの組織に存在しており、ある程度の多分化能をもち最終分化していない細胞です。増殖することにより最終分化細胞への供給源として損傷組織の再生において新しい細胞を供給する重要な役割を持つと考えられています。
造血幹細胞、血管内皮前駆細胞、間葉系幹細胞などがあります。
さらに間葉系幹細胞の中に脂肪由来、歯髄由来、神経由来、臍帯由来などの幹細胞があります。

これらの幹細胞は加齢により減少します。例えば骨髄中の組織幹細胞の数は新生児を1とすると80代では新生児の1/200まで減少します。幹細胞が減少することで傷ついた組織修復が行われなくなります。その結果さまざまな病気を発症する、これが老化です。
血管内皮前駆細胞に関しても脳梗塞、ED、心血管リスクスコアに関して様々な報告があります。幹細胞の多い人は健康なのです。

ではどうすれば幹細胞を維持できるのでしょうか。
ファスティング(絶食)、良質の睡眠、禁煙、ポジティブな感情、適切な栄養、運動、高知(標高の高いところ)に住む、などは自然に幹細胞を増やす環境です。
逆は幹細胞を減らす環境です。
具体的な食習慣やファスティングの方法はまた別の機会に。

自分の腹部の脂肪を採取して脂肪由来幹細胞を培養し、数をふやして体に戻す幹細胞療法は究極のアンチエイジング治療と言えます。一度は試してみたいです( ^)o(^ )