ビタミンDについて
今回はビタミンDの話です。
ビタミンDは日光を浴びることにより体内で合成できる唯一のビタミンです。ただし十分量を摂るには食べ物からの摂取も重要です。その後肝臓と腎臓で代謝され、働く形の活性型ビタミンDとなります。
ビタミンDの働きは
・小腸、骨に作用してカルシウムの濃度を維持する
・ウイルス、細菌など感染症に対する免疫力を上げる
・アレルギー反応を抑える
・細胞増殖阻害作用(多くの癌にも有効)
・卵子や精子の形成、着床、妊娠経過への影響
など多岐にわたります
例えば今流行中のインフルエンザに有効です。冬季に毎日1,200IUのビタミンDを摂取した生徒群は、プラセボ(偽薬)を摂取した生徒群に比較して、42%も季節性インフルエンザにかかる率が低かったとの報告があります。
欧米ではビタミンD強化食品が多く販売されています。実際はビタミンDを多く含む食べ物(特に魚に多く含まれる)を積極的に食べて日光を浴びても、血液中濃度は必要十分量に上がらない事が多いです。サプリメントでの補充が有用です。
腎臓の悪い人や骨粗鬆症の人は活性型ビタミンDの薬を内服していることが多いのですが、これですべて解決かというとそうではありません。人間の体はビタミンD3を材料に必要に応じて活性化ビタミンDを作ります。必要量だけ活性化しますので高カルシウム血症にはなりません。ところが薬の活性型ビタミンDは注意しておかないとカルシウムが高くなりすぎることがあります。
ビタミンDは血中濃度が測定できます。30nmol/L以上あれば十分、50-80nmol/Lが至適濃度、ですが30nmol/L以上の方は実際は少ないのです。
日本では処方薬はすべて活性型ビタミンD、市販のサプリメントは非活性型のビタミンDです。ビタミンDは脂溶性のビタミンです。摂りすぎると過剰症になることがまれにありますのでご相談ください。
私はサプリメントでビタミンC,Dをたくさん摂取して、風邪をひかないよう予防しています。医者の不養生って言われぬよーに。(*^-^*)