亜鉛の話

体の働きはすべて酵素反応によって機能しています。ミネラル(金属)は酵素の働きを支え、ビタミンは酵素の働きを補助しています。

今回は亜鉛の話をしたいと思います。亜鉛は今まで何度かお話しした有害重金属とは反対に絶対に必要な微量元素です。1961年に低身長で貧血があり、肝脾腫を認め、土を食べる習慣がある少年が報告され、この少年がのちに亜鉛不足であることが分かりました。

亜鉛は鉄のように貯蔵蛋白がないので常に補充が必要です。また様々な原因で欠乏してしまいます。

この20年で世界で飢餓で死亡する子供は半減し、現在ではひどい亜鉛不足はありませんが、微量元素の厄介なところは人によって症状のでる量が異なることです。

亜鉛不足でまず思いつくのは味覚障害や脱毛ですが、若い女性の不定愁訴には鉄と同様深く関わっています。また炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)では亜鉛が低いことが多いです。その他糖代謝や膠原病、前立腺癌にも関係しています。

亜鉛の血中濃度は測定できますが、細胞内で作用するのでそれだけでは不十分です。その他ALP(アルカリフォスファターゼ)低値でも判断できます。

亜鉛が多く含まれている食物はカキ、豚レバー、牛肉(肩)などです。不十分な場合はサプリで補充しましょう。カキを6個食べれば1日の十分量がとれます。えっ!6個も・・・。ノロウイルスには注意してくださいね。やっぱりサプリが安全ですね。