体重の増減

短期間での急激な体重減少（1〜2ヶ月で5%以上の体重減少など）

悪性腫瘍、糖尿病、甲状腺機能亢進症などが考えられます。

体重減少とともに、食欲不振や倦怠感がある場合

悪性腫瘍、慢性感染症、消化器系の病気などが考えられます。

体重減少とともに、発熱や寝汗がある場合

悪性リンパ腫、結核などの感染症などが考えられます。

体重減少とともに、咳や息切れがある場合

肺がん、慢性閉塞性肺疾患（COPD）などが考えられます。

体重減少とともに、腹痛や下痢などの消化器症状がある場合

吸収不良症候群、炎症性腸疾患、消化器系の悪性腫瘍などが考えられます。

体重減少とともに、喉の渇きや多尿がある場合

糖尿病などが考えられます。

これらの症状は、放置すると病気の進行を招く可能性があるため、早めの受診が大切です。

悪性腫瘍（がん）

がん細胞は正常な細胞よりも活発に増殖し、多くのエネルギーを消費します。また、がんの種類によっては食欲不振や消化吸収の障害を引き起こし、体重減少につながります。特に、消化器系のがん（胃がん、大腸がん、膵臓がんなど）、肺がん、血液のがん（白血病、悪性リンパ腫など）では、体重減少が比較的早期から見られることがあります。

糖尿病

血糖コントロールが不良な状態が続くと、体はエネルギー源としてブドウ糖をうまく利用できず、代わりに筋肉や脂肪を分解するため、体重が減少することがあります。また、多尿によって体内の水分が失われることも体重減少の一因となります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、全身の代謝が異常に亢進し、エネルギー消費量が増加するため、食欲が増進しても体重が減少することがあります。動悸、手の震え、発汗過多などを伴うことがあります。

消化器系の病気

吸収不良症候群（クローン病、セリアック病など）や慢性膵炎など、消化吸収の機能が障害される病気では、十分に栄養を摂取しても体重が減少することがあります。下痢や腹痛などの消化器症状を伴うことが多いです。

慢性感染症

結核、HIV感染症などの慢性的な感染症では、体が病原体と闘うためにエネルギーを消費し続けるため、体重が減少することがあります。発熱、倦怠感、寝汗などを伴うことがあります。

その他

慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患（COPD）、薬剤の副作用なども、体重減少の原因となることがあります。また、高齢者の場合は、食欲不振や栄養摂取量の低下により、意図しない体重減少が起こりやすくなります。