〒658-0032神戸市東灘区向洋町中3丁目2-2
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血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際に、血管の壁にかかる圧力のことです。心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力(収縮期血圧・最高血圧)と、心臓が拡張して血液を溜め込むときの圧力(拡張期血圧・最低血圧)の2つの数値で表されます。血圧は常に変動しており、運動やストレスなどで一時的に上昇することもありますが、慢性的に高い状態が続くと、血管に負担がかかり、様々な病気を引き起こす原因となります。
正常値 | 最高血圧 129mmHg以下、かつ 最低血圧 84mmHg以下 |
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高血圧 | 最高血圧 140mmHg以上、または 最低血圧 90mmHg以上 |
家庭で測定する血圧の正常値は、医療機関で測定する血圧よりも低めに設定されており、最高血圧 135mmHg未満、かつ 最低血圧 85mmHg未満が目安となります。
高血圧を放置すると、血管が硬くもろくなり(動脈硬化)、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞、狭心症、慢性腎臓病、大動脈瘤など、命に関わる重大な病気を引き起こす可能性が高まります。また、高血圧は自覚症状がないことが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれ、気づかないうちに病気が進行してしまうこともあります。
HbA1cは、過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値の状態を示す指標です。赤血球中のヘモグロビンというタンパク質にブドウ糖が結合したもので、血糖値が高ければ高いほどHbA1cの値も高くなります。空腹時血糖は、食事を摂らずに10時間以上経過した後の血糖値のことです。これらの検査は、糖尿病の診断や管理に用いられ、特にHbA1cは、長期的な血糖コントロールの状態を反映するため、糖尿病の診断や治療において重要な指標となります。
HbA1c | 正常値 5.5%未満、糖尿病型 6.5%以上 |
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空腹時血糖 | 正常値 99mg/dL以下、糖尿病型 126mg/dL以上 |
高血糖の状態が続くと、糖尿病が進行し、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
網膜症 | 視力低下、失明 |
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腎症 | 腎機能低下、透析 |
動脈硬化 | 心筋梗塞、脳卒中、足の壊疽 |
神経障害 | 手足のしびれや痛み、感覚の低下、自律神経障害(便秘、下痢、立ちくらみなど) |
これらの合併症は、生活の質を著しく低下させるだけでなく、生命予後にも影響を与えます。また、高血糖は、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患のリスクを高めることも知られています。糖尿病は、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。
尿蛋白とは、本来は血液中に留まるべきタンパク質が、尿中に過剰に排泄される状態のことです。健康な人の尿にはほとんどタンパク質が含まれていません。尿潜血とは、尿中に本来はほとんど含まれない赤血球が混じっている状態のことです。目で見える場合と、試験紙で検査して初めてわかる場合があります。これらの検査は、腎臓の機能や尿路系の状態を評価し、腎臓病や尿路系の病気の診断に用いられます。
尿蛋白 | 正常値 陰性(-)、異常値 疑陽性(±)以上 |
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尿潜血 | 正常値 陰性(-)、異常値 疑陽性(±)以上 |
慢性糸球体腎炎 | 腎臓の糸球体に炎症が起こる病気で、徐々に腎機能が低下します。 |
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糖尿病性腎症 | 糖尿病の合併症として、腎臓の機能が低下します。 |
ネフローゼ症候群 | 大量のタンパク質が尿中に排泄され、むくみなどが起こります。 |
これらの腎臓病は、放置すると腎機能が徐々に低下し、最終的には透析が必要となる腎不全に至ることもあります。
尿路結石 | 腎臓、尿管、膀胱などに石ができる病気で、激しい痛みや血尿を伴うことがあります。 |
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膀胱炎、腎盂腎炎 | 細菌感染などによる炎症で、頻尿、排尿痛、発熱などを伴うことがあります。 |
腎臓がん、膀胱がん | 悪性腫瘍で、進行すると血尿や腰痛などが現れることがあります。 |
これらの病気は、放置すると重症化したり、治療が難しくなったりすることがあります。
尿蛋白や尿潜血は、早期発見・早期治療が重要な病気のサインであることがあります。
血清クレアチニンは、筋肉で産生される老廃物で、腎臓の糸球体という部分で血液からろ過され、尿中に排泄されます。血清クレアチニン値は、腎臓の機能が低下すると、血液中に排泄されずに蓄積するため上昇します。eGFR(推算糸球体ろ過量)は、血清クレアチニン値、年齢、性別などから計算される、腎臓の血液をろ過する能力を示す指標です。eGFRが低下すると、腎臓の機能が低下していることを意味します。これらの検査は、腎臓の機能評価や、慢性腎臓病(CKD)の病期分類などに用いられます。
正常値は性別や年齢によって異なりますが、一般的に男性 0.6~1.2 mg/dL、女性 0.4~1.0 mg/dL程度です。ただし、筋肉量の多い方は高めに出ることがあります。
正常値 90 mL/min/1.73m2以上、60 mL/min/1.73m2未満で腎機能低下と判定されます。eGFRが15 mL/min/1.73m2未満になると、透析や腎移植が必要となる腎不全の状態です。
血清クレアチニン値の上昇やeGFRの低下は、腎機能が低下していることを示します。放置すると、慢性腎臓病(CKD)が進行し、以下のような状態になる可能性があります。
貧血 | 腎臓は、赤血球を作るのを助けるホルモンを分泌するため、腎機能が低下すると貧血になりやすくなります。 |
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骨粗鬆症 | 腎臓は、カルシウムの代謝にも関わっているため、腎機能が低下すると骨が弱くなりやすくなります。 |
高血圧 | 腎機能が低下すると、体内の水分や塩分の調節がうまくいかなくなり、高血圧になりやすくなります。 |
電解質異常 | カリウムなどの電解質のバランスが崩れ、不整脈などの原因になることがあります。 |
腎不全 | 腎臓の機能がほとんどなくなると、老廃物を排泄できなくなり、透析や腎移植が必要になります。 |
また、慢性腎臓病(CKD)は、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクを高めることも知られています。腎臓は、全身の健康に深く関わる重要な臓器です。
肝機能障害とは、肝臓の機能が低下している状態のことです。肝臓は、栄養の代謝(糖、タンパク質、脂質の代謝)、有害物質の解毒、胆汁の生成・分泌、血液凝固因子の生成など、生命維持に欠かせない多岐にわたる働きを担っています。肝機能障害は、血液検査でAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの肝酵素の値が上昇することで発見されます。肝酵素は、肝細胞が破壊されると血液中に漏れ出すため、その値の上昇は肝臓の炎症や障害を示唆します。
肝酵素の正常値は検査機関によって多少異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
AST(GOT) | 30 IU/L以下 |
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ALT(GPT) | 30 IU/L以下 |
γ-GTP | 50 IU/L以下 |
これらの値が正常範囲を超えている場合、肝機能障害が疑われます。ただし、一時的な上昇であれば、過労や飲酒などが原因であることもあります。
肝炎 | 肝臓の炎症。 |
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ウイルス性肝炎 | A型、B型、C型など、ウイルス感染による肝炎。慢性化すると肝硬変や肝がんのリスクが高まる。 |
アルコール性肝炎 | 過度の飲酒による肝臓の炎症。肝硬変に進行することがある。 |
自己免疫性肝炎 | 自己免疫の異常による肝臓の炎症。慢性化しやすい。 |
薬剤性肝炎 | 薬剤の副作用による肝臓の炎症。 |
肝硬変 | 肝炎などが慢性化し、肝臓が硬くなり、正常な肝細胞が減少する状態。肝機能が著しく低下し、腹水、黄疸、肝性脳症などの重篤な合併症を引き起こすことがある。 |
肝がん | 肝臓にできるがん。肝炎や肝硬変が背景にあることが多い。 |
これらの病気は、重篤な症状を引き起こし、生命予後にも影響を与えます。また、肝機能障害は、全身の倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、腹痛などの症状を引き起こすこともあります。
貧血とは、血液中の赤血球の数や、赤血球に含まれるヘモグロビンというタンパク質の量が減少している状態のことです。ヘモグロビンは、酸素を全身に運ぶ役割を担っているため、貧血になると、全身の組織が酸素不足になり、様々な症状が現れます。
貧血の診断には、ヘモグロビン値が用いられます。正常値は性別や年齢によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
男性 | 13.0 g/dL以上 |
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女性 | 12.0 g/dL以上 |
これらの値を下回る場合、貧血と診断されます。
倦怠感、疲れやすさ | 全身への酸素供給が不足するため、疲れやすくなります。 |
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動悸、息切れ | 酸素不足を補おうとして、心臓がより多く働くため、動悸や息切れが起こります。 |
めまい、立ちくらみ | 脳への酸素供給が不足するため、めまいや立ちくらみが起こることがあります。 |
頭痛 | 脳への酸素供給が不足するため、頭痛が起こることがあります。 |
顔色不良 | 皮膚や粘膜の血色が薄くなります。 |
顔色不良 | 皮膚や粘膜の血色が薄くなります。 |
また、貧血の原因によっては、以下のような病気が隠れている可能性もあります。
悪性腫瘍 | 中高年の貧血は胃がんや大腸がんなどによる消化管からの慢性的な出血により貧血を引き起こすことがあります。 |
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鉄欠乏性貧血 | 鉄分不足が原因。若年者の慢性的鉄不足は倦怠感、鬱症状にも関連します。 |
再生不良性貧血 | 骨髄の機能低下が原因。 |
溶血性貧血 | 赤血球が破壊されやすい状態。 |
悪性貧血 | ビタミンB12の吸収障害が原因。 |
貧血の種類によっては、重篤な病気が隠れている場合もあるため、放置せずに原因を調べることが重要です。
白血球は、細菌やウイルス、真菌などの病原体や、体内で発生したがん細胞などの異物から体を守る、免疫機構において中心的な役割を担う血液細胞です。白血球には、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球など、いくつかの種類があり、それぞれ異なる働きをしています。白血球の数や種類(白血球分画)のバランスに異常があると、感染症にかかりやすくなったり、免疫機能が低下したり、白血病などの血液のがんが隠れていたりする可能性があります。白血球の異常は、血液検査で確認できます。
白血球の正常値は、一般的に4,000~8,000/μLです。ただし、年齢や体調などによって多少変動することがあります。
感染症などの急性炎症の場合は、原因の疾患が治れば、時間とともに白血球数は正常に戻ります。しかし慢性的に極端に高い場合や低い場合は血液の悪性腫瘍の場合があり、原因を特定する必要があります。白血球数は低くても高くても感染症に対する抵抗力がなくなります。
慢性的な白血球の異常は、原因を特定し、適切な治療(抗菌薬、抗ウイルス薬、免疫抑制剤、抗がん剤など)を行うことが重要です。放置すると、重篤な状態に陥る可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
胸部エックス線検査は、X線を用いて肺、心臓、大血管、胸郭(肋骨、横隔膜など)などの胸部臓器の状態を画像化する検査です。短時間で比較的安価に検査できるため、健康診断や人間ドックで広く行われています。胸部エックス線写真に異常な影や形の変化が見られる場合、肺炎、肺がん、結核、気胸、胸水、心臓肥大、大動脈瘤など、様々な病気の可能性が考えられます。ただし、エックス線検査だけでは確定診断は難しく、CT検査などの精密検査が必要となる場合があります。
正常な胸部エックス線写真では、肺は黒く、心臓や大血管、骨は白く写ります。肺野に異常な白い影が見られる場合や、心臓の大きさや形に異常がある場合、縦隔(心臓と肺の間)に腫瘤がある場合など、様々な異常所見があり、専門医が総合的に判断して異常と判定します。異常の種類は多岐にわたり、影の濃さ、大きさ、分布、境界の明瞭さなど、様々な要素を考慮して診断を行います。
胸部エックス線異常を放置すると、原因によっては以下のような状態になる可能性があります。
進行すると発熱、咳、痰、呼吸困難などの症状が強くなり、重症化すると敗血症など命に関わる状態になることがあります。結核は、肺だけでなく全身に広がることがあり、後遺症を残すこともあります。
早期発見であれば根治が期待できますが、進行すると治療が難しくなり、生命予後にも大きく影響を与えます。胸部エックス線検査は、肺がんの早期発見に重要な役割を果たします。
心臓肥大は、心不全の原因となり、息切れ、むくみ、動悸などの症状を引き起こします。大動脈瘤は、破裂すると激しい胸痛や背部痛を起こし、緊急手術が必要となる、非常に危険な状態です。
気胸は、肺に穴が開いて空気が漏れる病気で、呼吸困難を起こします。胸水は、胸腔内に水が溜まる病気で、呼吸を圧迫することがあります。
胸部エックス線異常は、精密検査(CT検査など)で原因を特定し、適切な治療(抗菌薬、抗がん剤、手術など)を行うことが重要です。放置すると、重篤な状態に陥る可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
心電図は、心臓の筋肉を動かす電気信号を記録する検査です。心臓は、規則正しい電気信号によって収縮と拡張を繰り返しており、この電気信号の異常は、心臓の病気の重要なサインとなります。心電図検査は、手軽に行える検査であり、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症など、様々な心臓の病気の診断に役立ちます。ただし、心電図異常の中には、病気ではなく、加齢に伴う変化や、自律神経の乱れなど、正常な変化である場合もあります。
正常な心電図の波形は、P波、QRS波、T波など、特徴的な形をしています。これらの波形の形、大きさ、間隔、リズムなどに異常が見られる場合、異常と判定されます。
P波の異常 | 心房の興奮に異常があることを示唆します。 |
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QRS波の異常 | 心室の興奮に異常があることを示唆します。 |
ST部分やT波の異常 | 心筋の虚血や障害を示唆します。 |
リズムの異常 | 脈の速さや規則性に異常があることを示唆します。 |
異常の種類は多岐にわたり、専門医が総合的に判断して診断を行います。
心電図異常を放置すると、原因によっては以下のような状態になる可能性があります。
放置すると、動悸、息切れ、めまい、ふらつき、胸の不快感、失神などを引き起こすことがあります。
頻脈性不整脈(脈が速すぎる不整脈)や徐脈性不整脈(脈が遅すぎる不整脈)の中には、重症なものがあり、突然死の原因となることもあります。
心房細動という不整脈は、脳梗塞のリスクを高めることが知られています。
狭心症は、心臓に酸素を送る血管が狭くなり、胸の痛みや圧迫感が起こる病気です。放置すると、心筋梗塞という、血管が完全に詰まって心臓の筋肉が壊死する、命に関わる病気に進行することがあります。
心筋梗塞は、重篤な後遺症を残すこともあります。
心筋症は、心臓の筋肉の病気で、心臓が大きくなったり、厚くなったり、硬くなったりします。放置すると、心不全という、心臓が全身に血液を送り出すことができなくなる状態を起こすことがあります。
心電図異常は、精密検査(心臓超音波検査、冠動脈CT検査など)で原因を特定し、適切な治療(薬物療法、カテーテル治療、ペースメーカー治療など)を行うことが重要です。放置すると、重篤な状態に陥る可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
腹部エコー検査は、超音波(人間の耳には聞こえない高い周波数の音波)を利用して、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、腹部大動脈などの腹部臓器の状態をリアルタイムで画像化する検査です。検査時の痛みや放射線の被ばくがなく、繰り返し行えるため、健康診断や人間ドックでのスクリーニング検査、病気の経過観察、治療効果の判定などに広く用いられています。腹部エコー検査で異常な所見が見られる場合、脂肪肝、胆石、腎結石、膵嚢胞、肝腫瘍、腎腫瘍、腹部大動脈瘤など、様々な病気の可能性が考えられます。
正常な腹部エコー画像では、各臓器は一定の大きさ、形、内部構造(均一性など)を有しており、周囲の臓器との境界が明瞭に描出されます。これらの大きさ、形、内部構造に異常が見られる場合や、腫瘤(しゅりゅう)と呼ばれる異常な塊(充実性腫瘤、嚢胞性腫瘤など)が見られる場合などに、異常と判定されます。異常の種類は多岐にわたり、臓器の腫大、萎縮、内部エコーレベルの変化、壁の肥厚、結石の存在、腫瘤の有無など、様々な所見を総合的に評価し、専門医が判断します。
腹部エコー検査の異常を放置すると、原因によっては以下のような状態になる可能性があります。
肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態。初期段階では自覚症状がないことが多いですが、放置すると肝炎(脂肪肝炎)に進行し、肝硬変に至ることがあります。肝硬変になると、肝機能が著しく低下し、腹水、黄疸、肝性脳症などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
胆嚢内に石ができる病気。無症状のこともありますが、胆石が胆嚢の出口や胆管に詰まると、激しい腹痛(胆疝痛)や発熱、黄疸などを引き起こすことがあります(胆嚢炎、総胆管結石)。
腎臓内で作られた石が尿管などに移動して詰まる病気。腰背部の激しい痛み(腎疝痛)、血尿、発熱などを伴うことがあります。放置すると、尿路感染症や腎機能障害の原因になることがあります。
膵臓にできる液体の溜まった袋。ほとんどは良性ですが、中には悪性化する可能性のあるものや、膵炎の原因となるものがあります。
良性腫瘍の場合もありますが、悪性腫瘍(がん)の場合、進行すると周囲の臓器に浸潤したり、遠隔転移したりして、生命予後(予後の見通し)に大きく影響を与えます。
腹部エコー検査の異常は、精密検査(CT検査、MRI検査、内視鏡検査など)で原因を特定し、適切な治療(生活習慣の改善、薬物療法、内視鏡的治療、手術など)を行うことが重要です。放置すると、重篤な状態に陥る可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
便潜血検査は、便の中に目に見えない血液(潜血)が混じっているかどうかを調べる検査です。主に、大腸がんの早期発見を目的としたスクリーニング検査として、健康診断や人間ドックで広く行われています。便潜血陽性の場合は、大腸がんだけでなく、大腸ポリープ、痔、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、憩室出血など、様々な消化管からの出血が疑われます。
便潜血検査は、通常、免疫学的便潜血検査という方法で行われます。1日法と2日法がありますが、いずれの場合も、陰性(-)が正常、陽性(+)が異常と判定されます。2日法の場合、1日でも陽性であれば、陽性と判定されます。陽性の程度は、弱陽性、中等度陽性、強陽性などと表現されることもありますが、精密検査の必要性は変わりません。
便潜血陽性を放置すると、原因によっては以下のような状態になる可能性があります。
早期の大腸がんは、自覚症状がないことが多く、便潜血検査が唯一の発見の手がかりとなることもあります。進行すると、血便、便通異常(便秘と下痢の繰り返しなど)、腹痛、腹部膨満感、体重減少などの症状が現れます。進行した大腸がんは、腸閉塞や腸穿孔(腸に穴が開く)などを引き起こし、生命予後(予後の見通し)に大きく影響を与えます。また、大腸がんは、肝臓や肺などに転移することもあります。
大腸の粘膜にできるいぼ状の隆起。ほとんどは良性ですが、放置すると、中には将来的に大腸がんになる可能性があるものがあります(腺腫性ポリープ)。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的な炎症性腸疾患は、慢性的な腹痛、下痢、血便などの症状を引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。また、長期罹患している場合、大腸がんのリスクが高まることも知られています。
便潜血陽性は、精密検査(大腸内視鏡検査など)で原因を特定し、適切な治療(内服薬、手術など)を行うことが重要です。特に、大腸がんは、早期発見・早期治療で根治が期待できるため、便潜血陽性を放置せずに、必ず精密検査を受けるようにしましょう。
腫瘍マーカーとは、がん細胞によって作られる物質で、血液や尿などで測定できます。腫瘍マーカーの値が高い場合、がんが存在する可能性が考えられますが、がん以外の病気や、喫煙などでも上昇することがあります。そのため、腫瘍マーカーは、がんの診断の補助として用いられますが、これだけでがんの有無を確定することはできません。
腫瘍マーカーの種類によって正常値は異なります。代表的な腫瘍マーカーとその正常値の目安は以下の通りです。
CEA(癌胎児性抗原) | 5.0 ng/mL以下 |
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CA19-9(糖鎖抗原19-9) | 37 U/mL以下 |
AFP(α-フェトプロテイン) | 10 ng/mL以下 |
PSA(前立腺特異抗原) | 4.0 ng/mL以下(年齢によって基準値が異なる) |
これらの値を上回る場合、異常と判定されます。
腫瘍マーカーの異常を放置すると、原因によっては以下のような状態になる可能性があります。
がんの進行 | 腫瘍マーカーの値が高い場合、がんが進行している可能性があります。 |
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がんの転移 | 腫瘍マーカーの値が急激に上昇した場合、がんが他の臓器に転移している可能性があります。 |
腫瘍マーカーの異常は、精密検査で原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。
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