人体は酸素を利用して生命活動を維持しています。その一部は反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患、生活習慣病など様々な疾患をもたらす原因となります。もともと生体内には活性酸素の傷害から守るための抗酸化力が備わっていますが、それを上回ると細胞が障害されます。体内の抗酸化物質でコントロールできるものとできないものがあります。
水素は生理活性型の活性酸素には反応せず、しかも触媒、温度がないとこれらとは反応しません。ヒドロキシラジカルは活性が非常に高いので水素と反応します。すなわち水素は(水素のみが)活性酸素の中でも細胞障害性の高いヒドロキシラジカルを消去すると考えられています。
別の項で説明しましたようにオゾン療法や高濃度ビタミンCが酸化療法であるのに対し、水素治療は悪玉活性酸素を除去する抗酸化療法です。
マウス扁平上皮癌に水素が有効であった(1975年)報告や、肝炎に対する水素の抗炎症作用(2001年)など水素に関する医学論文は徐々に増加していきました。
2007年に日本医大の太田教授らのグループが、水素は活性酸素を消去し酸化ストレスから細胞を保護し、動物モデルにおいて虚血再灌流障害から組織を保護することを報告しました。Nature Medicine(2007; 13: 688-694)
その後、水素には抗酸化作用に留まらず、炎症抑制効果、アレルギー抑制効果、細胞死抑制効果、エネルギー代謝促進効果があることが示されました。水素治療はそのような多彩な機能をもち、さらに非常に効果的に疾患モデル動物を改善することが示されています。
人体に水素を取り入れる方法
等の方法があります。
水素吸入器(毎分水素1.2L供給)
血圧の薬は内服の前後で血圧を測定すれば効果がわかりますが水素はそうはいきません。
水素吸入をした際には濃度を計測する手段として呼気中水素濃度があります。ただし実際にヒドロキシラジカルが消去されたかどうかは簡単には分からないのです。
水素による酸化・抗酸化の程度の変化を調べる方法として、水素摂取の前後で人体の酸化・抗酸化度合を示すdROM/BAPの値や、尿中8-OHdG測定が行われています。(実際に水素摂取の効果があるかどうか)今のところそれより詳しい検査はなく今後の検討がまたれるところです。
なお通常販売されている水素水については、水素ガスが水に溶解するのは、常温常圧で最大1.6ppm程度ですから密封容器を開封した瞬間から水素ガスは逃げて行きます。水素ガスは、ペットボトルは通過してしまいますので、容器の密封のレベルも重要で市販品を用いて体に高濃度の水素水を送り込むのはかなり難しいと考えます。
当院で提供する水素治療
なおオゾン療法、高濃度ビタミンC療法などの酸化療法と、悪玉活性酸素を除去する水素吸入の組み合わせがよいとされています。
当院では高濃度ビタミンC点滴中の水素吸入も行っております。
水素吸入による副作用の報告はありません
本治療は医薬品医療機器等法上の承認を得ていないため、医療保険制度はお使いいただけず自費診療となります。
水素治療に関わる薬品、機材等は「医師等の個人輸入」により適法な輸入許可を得ています。日本では、未承認医療機器を、医師の責任において使用することができます。
未承認医療機器についての情報「個人輸入において注意すべき医薬品等について」もご覧ください。
本治療に使用できる同一の性能を有する他の国内承認医療機器はありません。
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
水素吸入 3,000円
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