脂質異常症(高脂血症) | 東灘区六甲アイランド 三上内科クリニック | 動脈硬化

アイランドセンター駅徒歩3分 TEL:078-855-5031

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症(高脂血症)とは

脂質異常症(高脂血症)というのは、血液中の脂質、具体的には「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセライドなど)」の濃度が慢性的に高い状態のことです。
脂質異常症は高血圧など他の生活習慣病と同様に自覚症状がほとんどなく、放置している人も多くいるのが現状で、患者数は予備軍を含めると2000万人以上ともいわれています。

脂質異常症には、大きく分けて次の3つのタイプがあり、それぞれに原因や対処法が異なってきます。

高LDLコレステロール血症/低HDLコレステロール血症/高トリグリセライド(TG)血症

脂質異常症を放置すると、増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まって動脈硬化の進行を促してしまい、ついには心筋梗塞や脳梗塞の発作を招く原因となってしまいます。
健康診断などの機会を積極的に利用し、早い段階で見つけることが大切です。

脂質異常症(高脂血症)と動脈硬化の関係

脂質異常症は動脈硬化の重大な危険因子です。
狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病と、脳出血や脳梗塞などの脳卒中は、日本人の死因の上位を占めています。これらはどちらも、主に動脈硬化が原因となって起こる血管の病気です。死因の第1位は「がん」ですが、心臓病と脳卒中を合わせると総死亡の約3割を占めるので、動脈硬化を防いでこれらの疾患を予防することは、生命維持にとっても重要です。
さらに動脈硬化は、高血圧を悪化させたり、腎臓病などの原因となったりします。

動脈硬化というのは、心臓から体の各部分へと血液を運ぶ血管が硬くなる疾患です。動脈の内側の壁にコレステロールが溜まり、血管が盛り上がって狭くなり、それとともに血管が硬く、そしてもろくなるのです。
そのため、血液の流れが悪くなったり、盛り上がった部分が破れてしまい、中の脂質と血液が混ざることで血栓(血のかたまり)ができて詰まってしまったりするのが大きな問題となります。

動脈硬化は年齢と共に進行しますが、様々な危険因子によって進行がさらに速められてしまいます。ですから、それらの危険因子を除いていけば、進行を遅らせることができます。高血圧が動脈硬化の大きな危険因子の一つであることはよく知られていますが、脂質異常症も同様に重大な危険因子なのです。
脂質異常症は、自覚症状がまったく無くても、早期に治療を始めることが大切です。

脂質異常症(高脂血症)の検査と診断

脂質異常症の診断は血液検査によって行います。
採血にてLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(TG:中性脂肪)の値を検査し、LDLが140mg/dL以上、HDLが40mg/dL未満、トリグリセライドが150mg/dL以上の場合、それぞれ脂質異常症と診断します。
普段受けられる健康診断の検査項目にも含まれていますので、検診の結果で脂質異常症と指摘され、当院を受診される方も多くいらっしゃいます。

これらの項目の中でも特に重要なのが、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールです。
100人中に1人程度、遺伝的にコレステロールが高い(家族性高コレステロール血症)という方がいますが、これは体質によるものです。しかし体質によるものであってもLDLコレステロールが高いという状態は動脈硬化のリスクであることに変わりはないので、心筋梗塞や脳梗塞の予防のために早期から確実な治療が必要となります。
またLDLコレステロールが非常に高い値の場合、何年も放置されていると既に動脈硬化が進行しているリスクがありますので、必要に応じて血管内エコー(超音波)検査などを行い、動脈硬化の有無と程度を確認する場合があります。

また、脂質異常症を引き起こすような疾患が隠れていないかどうかを確認することも大切です。血液検査を通して、糖尿病や甲状腺機能異常の有無についても検査します。

脂質異常症(高脂血症)の治療

脂質異常症の治療の3本柱は、他の生活習慣病と同様に、食事療法、運動療法、および薬物療法です。

なかでも特に重要なのが食事療法であり、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。
その食事療法についてですが、高LDLコレステロール血症の人は動物性脂肪を含む食品を減らして植物性脂肪を含む食品を増やす、コレステロールの多い食品を減らす、野菜やきのこ類などの食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂る、ということを意識してください。
特に注意していただきたい動物性脂肪は、肉や卵に多く含まれています。例えば牛肉や豚肉を食べる時にはロースよりもヒレを、鶏肉の場合は皮を食べないようにするだけでも、脂質をかなり減らすことができます。
また油っぽくないと思われがちな乳脂肪も動物性脂肪です。生クリームやバター、チーズ、菓子パン、清涼飲料水などにも多く含まれている場合があります。
一般に健康に良いとされているヨーグルトも乳脂肪が多いので、食べ過ぎには注意が必要です。
また高トリグリセライド血症の人の場合は、糖質の多い食品やお酒を控える、摂取エネルギー(カロリー)をコントロールする、などを心掛けます。
食べ過ぎによってエネルギーが余ると、トリグリセライド(中性脂肪)となって体の中にどんどん蓄積されていきます。ゆっくり食べる、よく噛んで食べる、などを意識すると良いでしょう。

一方で青魚などの魚系の油、植物系の油などは善玉コレステロールと言われるHDLコレステロールを上げる作用があり、青魚を生成したEPA製剤、DHA製剤などは医薬品にもなっています。
色々な健康食品やサプリメントもありますが、いずれも摂り過ぎには注意が必要です。医師にご相談いただきながら、上手く摂取することがポイントです。

運動療法としては、ウォーキングなどがお勧めで、こうした軽めの有酸素運動を続けていると、トリグリセライドを減らし、HDLコレステロールを増やすことがわかっています。
適度な運動であれば、運動の種類にこだわる必要はありません。大切なのは生活習慣として続けられることですので、普段の生活で続けられる運動を選びましょう。

脂質異常症の治療薬には、主にLDLコレステロールを下げる薬や、トリグリセライドを下げる薬があります。
基本的には食事や運動で充分に脂質異常症が改善しない場合に処方されます。
医師は個々の患者さんに最も適した薬を処方します。薬の効果をしっかり得るためにも、また副作用を防止するためにも、医師の指示通りにきちんと服用しましょう。

日常生活の注意点

よく、脂質異常症の薬は一度始めたら一生飲み続けなければならないのか?という質問をお受けします。
薬を飲むことはあくまで数値を下げるための治療方法であり、根本的解決ではありません。薬によって数値を下げて動脈硬化の進行を予防すると同時に、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善によるアプローチも実施していくことで、薬を飲まなくても充分にLDLコレステロールやトリグリセライドの値が下がったと判断した場合、薬を飲まなくても良いと考えます。

脂質異常症は他の生活習慣病と同じく自覚症状がほとんどなく治療効果が実感しづらいことから、治療を途中で止めてしまう方が多いのも事実です。
しかし脂質異常症の治療は、いかにコレステロールやトリグリセライドの値を低く維持できているか、ということが重要です。
心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な発作を引き起こしてしまわないよう、定期的な受診と適切な治療の継続を心掛けるようにしましょう。

PAGE TOP