オゾンの不思議
オゾンという気体があります。3つの酸素原子からなる酸素の同素体で、分子式はO3、折れ線型の構造を持ちます。酸素がO2なので酸素の親戚ですが不安定な気体なのですぐに誰かと反応し自分は酸素に変化します。酸化力が非常に強く、酸素と異なり不飽和脂肪酸との反応性が高く、水にも容易に溶解します。
雷が鳴ったあと生臭い匂いがしますが、あの匂いがオゾンです。
酸素中での無声放電など高いエネルギーを持つ電子と酸素分子の衝突によって発生します。
オゾンが合成されたのは1840年。それを医療に応用しようとしたのが1915年。1923年には尾川式オゾン発生器(尾川正彦博士)、1932年には歯科領域でオゾンが利用されています。戦前の最盛期には日大駿河台病院に「 オゾン科」が設置され、. 大いに治療効果をあげたと伝えられています。ところが戦後衰退してしまいました。
今では再び様々な分野でオゾンは医療応用されています。
オゾンガスを医療用のゴム手袋に吹きかけると見事に破けてしまいます。ところがオゾンを溶解したオゾン水を飲んでも大丈夫です。オゾン水は次亜塩素酸の数十倍殺菌力が強くうがいをするだけで口の中のウイルス、細菌はすべて殺菌されます。もう一度飲むと今度は食道、胃粘膜が一瞬殺菌されます。ただし心配ありません、オゾンは反応したのち瞬時に酸素に変化しますから。
ある歯科クリニックではオゾンを積極的に使用されています。抜歯の前にまず血液オゾン療法(また今度お話しします)を行います。免疫応答を高めたのち口腔内をオゾンガス、あるいはオゾン水にて消毒(※オゾンガスは喘息患者には十分注意が必要です)します。その後抜歯したのち再び血液オゾン療法および高濃度ビタミンC点滴を行います。抗生剤も使用しますがきわめて体に優しい治療でさらに傷の治りも良いようです。
オゾン療法は非常に有用な治療法ですので今後何度も説明します。