CTC(循環腫瘍細胞)検査

リキッドバイオプシーという言葉があります。
癌が疑われると、手術前に内視鏡で癌と思われる組織を一部採取したり、手術中に切除範囲を決める目的で癌周囲の組織を切除し顕微鏡で調べます。これが従来のバイオプシー(生検)です。最近ではそれらを用いて遺伝子検査も行われます。リキッド(液体)、すなわち血液、唾液、尿などを用いて詳細に検査することをリキッドバイオプシーと呼びます。血液などを採取するだけなので体を傷つけずに検査ができます。今のところ超早期の癌や認知症を発見するマイクロRNA検査や今回説明するCTC検査が一部実用化されています。

CTC(循環腫瘍細胞)検査とは体内を循環している癌細胞の数、特徴を詳細に診断する検査です。具体的にはCTC濃度、腫瘍幹細胞マーカー、癌遺伝子発現、抗癌剤感受性、分子標的薬感受性、天然成分感受性、その他もろもろ。これらが生きた細胞(血液中の癌細胞)で詳細に検討できます。

現在CTCを測定できる企業はいくつかありますが私は最も信頼できるギリシャのラボに提出しています。

例えば、ステージ早期の癌を手術しました、早期なので何もしなくていいですよ、といわれたとしましょう。1年後、2年後はフォローのCT検査で異常なし、ところが3年目のCT検査で怪しい影がでてきて、これは再発でしょう、と言われたりします。
実際このようなことがあるのですが、この場合3年の間、癌と戦う努力を何もしていないことになりますよね。
そうではなく初期の癌で手術したとしてもCTC検査を行い、自分の癌細胞が鎮圧できているのか、水面下で動き始めているのかが判断できます。動き始めていればそれに対して各種の防衛、攻撃ができるのです。最高にパーソナライズされたすばらしい検査であると思います。もちろん保険はききませんが。