肺がん検診

今回は肺がん検診についてお話します。
がんによる死因のトップは男性は肺がん、女性は大腸がんです。女性でも2位は肺がんです。肺がん検診は少しでも早く発見しようというものです。
神戸市では満40歳以上の方が対象です。具体的には胸部X線写真で判断します。喫煙経験者(原則50歳以上で喫煙指数[1日本数×年数]が600以上の方)はX線に加えて喀痰検査を行います。
まず検診では専門医が胸部X線写真を見ます。異常と判断されれば次にCT検査や気管支鏡検査を行います。人間の眼で見るので、異常の基準は決まっていても、実際には診断が難しい場合があります。
今年の8月の新聞記事で、肺がん検診で胸部X線の異常を3度見落され女性が死亡、とありました。
私の知り合いは毎年の職場健診で胸部X線が異常なし、でした。しかしある時胸部CT検査をすると、しっかり肺がんがありました。急いで手術して事なきを得ましたが、危なかったです。以前の健診の胸部X線をいくら見直しても肺がんの影はありませんでした。心臓の影にかくれてレントゲンでは診断が付かないケースでした。
肺がんの有無を胸部X線だけで判断するのは非常に危険かもしれません。逆に胸部X線で明らかな異常ありとされたときにはステージが進行していることがあります。
喫煙と関係のない肺腺癌では最初はふわふわとしたスリガラス影としてCTに映ります。その後じわじわと成長し中心部が濃度の濃い影になっていきます。濃度の濃い影が大きくなってくると始めて胸部X線に映るのです。
肺がんの早期発見には是非胸部CTを撮ってください。

       羊蹄山