お金をかけずに健康増進

飲みすぎて睡眠時間が短くても翌朝元気にゴルフに行ける人は、まあ今の生活で良いとしましょう。

何をするのもしんどい、体調がすぐれない、お腹の調子が悪い、湿疹が出る、そんな方はお読みください。

しんどい、といって内科に行っても通常の採血をして異常がなければ、大丈夫ですよ、で終了。

しんどい、といって自由診療のクリニックに行くと、いろいろとお金がかかるんです。栄養状態の非常に詳しい採血、遅延型食物アレルギー検査、副腎調べるのに唾液中コルチゾール、腸内環境を調べるのに大腸フローラ検査、それに有機酸検査、酸化ストレス検査、など。

自分の体内で起こっていることを細胞レベルで調べたり、栄養状態を詳細に検査するには上記の検査が確かに必要です。でもそんなお金のかかる詳しい検査はしたくない、手っ取り早く生活習慣を改善し健康増進したい、そんな方はお読みください。

それは食事・運動・睡眠です。食事でエネルギーを摂る、運動でリズムを整える、睡眠で体の修復をする。これを順番通り実践していきましょう。

まずは食事。疲れている人、慢性疲労とか副腎疲労といった言葉で表すのですが、疲れている人は体の中の蛋白異化(蛋白をつぶす方向)が激しいのです。食事から炭水化物と同程度のタンパク質を摂らなければなりません。食事で大切なことは血糖値を安定させることです。疲れている人は血糖の維持が苦手なので血糖値を上げようとコルチゾールやアドレナリンが出てきてますます副腎に負担をかけます。血糖値が下がらないように3食以外に補食をすることです。

朝起きてすぐに食べられない人は交感神経が緊張していて唾液が出ず、腸管が動きません。体をリラックスさせないと食べれないのです。水分はしっかり摂ってください。細胞のエネルギーを保ちデトックスに有効です。

調子の悪い人は小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン)は止めておきましょう。腸に負担をかけて様々な悪影響が出てきます。具体的にはパン、ミルクをやめて、野菜、イモ、魚、肉、みそ汁、米を食べましょう。アルコールはごく少量で。

調子が悪く、副腎が疲労している方は異化亢進のために幸せホルモンのドーパミンがうまく作れません。ドーパミン不足は様々な依存が強いのです。砂糖依存、アルコール依存、買い物、ギャンブルなど。

次に運動です。運動することで筋肉をつける、副腎ホルモンのコルチゾールを緩やかに上げる、ストレスに対する耐性をつける、ことが出来ます。ただし食事から十分エネルギーをとってから運動を始めましょう。運動することが大きなストレスと感じる人にはお勧めできません。なお長距離の有酸素運動をしすぎると活性酸素が多くなり免疫力を低下させることにつながる場合があります。

毎日20~30分運動をする。筋トレ、ジョギング、ストレッチなど組み合わせる。運動後に爽快感やリフレッシュした感じが得られれば良いことです。逆に体が消耗したり筋肉痛が残る場合は運動量を減らすべきです。

そして睡眠。非常に重要です。睡眠は体の修復なのです。朝はコルチゾールが高くなり活動できます。夜になるとメラトニンというホルモンが出てきて眠りを誘います。コルチゾールが高いままではメラトニンは出てきません。ちっとも眠くならないのです。眠って2時間すると成長ホルモンが出てきます。これが特に大切で、成長ホルモンは読んで字のごとく子供では成長に欠かせません。それ以降は体の修復に役立っているのです。

人間の体には概日リズムというのがあり、太陽の光でリセットされます。男性ホルモンは朝9時が高値、メラトニンは夜9時が高値、成長ホルモンのピークは夜12時などと決まっています。その人のリズムというよりも太陽の光で決定されるので夜勤の人はややリズムが狂います。
睡眠が修復だとしたら、成長ホルモンが出る時間帯に熟睡しなければなりません。シンデレラタイムは夜10時に寝て、成長ホルモンの恩恵を受けながら朝5時ごろ起床することです。10時に寝て2時に起きても何となくすっきりした記憶はないですか。それは成長ホルモンの恩恵を最大限に受けているからです。

カフェインは昼までにしましょう。昼間に太陽の光を浴びる、睡眠環境を整えて、部屋は暗くする、スマホは見ない、この状況で10時に寝てみましょう。

飲みすぎて、夜更かししても元気な人はそれでいいのですよ。調子の悪い人、いつも疲れている人は、このように食事、運動、睡眠の順番でこの内容を実践してみて下さい。ちっともお金をかけずにそのうち体調は回復してきます。常に甘いものが食べたい、とか買い物がしたい、とは思わなくなるはずです。まあ効果を保障するわけではないですが、クリニックではこんな風にお勧めしています。