体に悪いもの~水銀~
11月 13, 2018
体に悪いものシリーズです。
水銀は昔体温計に使われていました。割れた体温計からポロッと出てくる銀色の物体を箸で触って遊んでいたことがあります。
重金属(比重が4以上の金属)には体に必須なものとして、銅、亜鉛、コバルト、クロム、マンガン、鉄があります。一方で水銀、鉛、カドミウムは毒性が非常に強い重金属です。有害重金属は酸化を進行させるといわれています。
水銀は大きく金属水銀、無機水銀、有機水銀に分けられます。人の体に入りやすいのは蒸気になった金属水銀とメチル水銀です。細胞内に入り込んだメチル水銀は血液脳関門や胎盤を通過し、SH基と強く結合し様々な酵素活性を低下させ中枢神経に有害事象を引き起こします。
火山の噴火や人間の生産活動により大気中に放出された水銀は雨となって海水、地中に入り込みます。バクテリアにより無機水銀からメチル水銀に変換され海洋での食物連鎖が始まります。
身近な水銀摂取の代表は皆さんのお好きな大型魚の摂取です。以前は歯科治療にもアマルガムといって水銀を含んだ合金を使用していました。
一般的に重金属の中毒症状はある閾値を超えると急に出てくるといわれます。集中力低下、視力低下、情緒不安定、頭痛、疲れやすいなどは水銀が蓄積した場合の健康障害の兆候ですが、ここまで蓄積する前に水銀を含んだものの摂取は避けるべきです。特に胎児に対しては要注意ですよ。