男性型脱毛症（AGA）の話です。個人的見解ですのでご了承くださいね。

薄毛に悩む男性は約30％ともいわれています。加齢とともに髪は薄くなっていくのですが、無いよりあった方がいいですね。
私の子供の頃から、ア〇ラ〇スやア〇トネ〇チ○ーのコマーシャルをやってました。そのうち毛生え薬ができればカツラは要らないのに。そう思ってましたが現実は難しいようです。
最近、都市部ではAGAクリニックが大流行。特殊な治療をして、皆さんフサフサになるんでしょうかね？

ミノキシジルを飲み始めてわかった失敗談です。

毛髪は１本１本寿命があり一定のサイクルにしたがって脱毛、発毛を繰り返してます。正常では生えてから抜けるまで数年かかります。このサイクルが乱れると抜け毛が多くなり結果として薄毛になります。テストステロンの誘導体のジヒドロテストステロンが重要です。この物質により毛髪の寿命を縮め成長が止まってしまします。

薄毛の治療は現在、抜け毛を防ぐフィナステリド、積極的に発毛させるミノキシジル、補助として亜鉛や各種ビタミンが基本です。たったそれだけです、簡単ですね。これでハゲが治るなら。カツラも要りません。

もう少し詳しくいうと、ミノキシジルの内服のみ、髪の毛を増やすことが出来ます。頭皮に塗っても効果はほとんどないです。特殊な治療では幹細胞培養上清液を頭皮にローラーで浸透させる方法です。でも痛いし血だらけになるし。それなりに効果はあります。

私も40歳半ばから前頭部の薄毛が気になりだしフィナステリドを毎日内服していました。半年ほどで髪質が変わった感があります。7～8年内服し、何とか遅らすことが出来ていました。AGAの患者さんにフィナステリドを処方する際には自分のビフォーアフターの写真を見せます。薄毛が立派になり若々しくなっている、もちろん真っ黒に染めていますが。ここでお見せできないのが残念です。

積極的に発毛させるミノキシジルの適当な内服薬はないか探していたのですが、やっと最近輸入して手に入れました。
AGAの患者さんに

私「こんなの入りましたよ」、といってミノタブ（ミノキシジルのタブレット）を見せる

患者さん「早く処方してくださいよ」

私「まずは自分で３か月試してみますから、自分が大丈夫なら次回お渡ししますね、これでOKならAGAクリニックの10分の1の料金ですよ」
という具合に

未承認薬を処方するときはまずは自分で試してみます。大丈夫なら患者さんにお渡しする、ということを行っています。

日本、アメリカだけでなく世界的にAGA治療薬としてミノキシジルタブレット（通称ミノタブ）を承認している国はないのです。１ヶ月飲んでみてすぐにわかりました。

ミノキシジルタブレットを飲んで２週間くらいで動悸が気になりました。今のところ内臓は悪くないのでなぜだろうと思ってましたが、久しぶりに飲酒した夜さらにドキドキして目が覚め眠れなくなりました。その後も前胸部を無意識に触ることがありました。
その後そこら中に抜け毛が。初期脱毛は覚悟してましたが、こんなにひどいとは。髪を触っただけでポロポロ、診察中にも椅子や床が抜け毛だらけに。入浴後タオルでゴシゴシするとこれはヒドイ。
入浴後、鏡で見るとエッ、と思うほど前頭部がスケスケに・・・。せっかくフィナステリドを長年飲み続けたのに１ヶ月でひどい状態に・・・いつになったら脱毛は止まるんだ・・・。

ミノキシジルは動脈系を拡張し、血流を改善し死にかけた毛根の毛母細胞を活性化する。それにより新しい髪の生成を促すのです。アメリカでは降圧剤として認可されてますが、使用は限定的で頻脈予防にβ遮断薬との併用が推奨されています。アルコールとの併用は特に要注意です。

当院のAGAの患者さんたちは皆さんやや高齢です。基礎疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。動悸がひどく、お酒はダメ、しかも最初ボロボロ抜ける、ではとても勧められません。ちなみに初期脱毛がひどい人はその後の発毛は良くなる、とか。しかし体感する副作用が多いので、当院の患者さんにお勧めするのは止めました。
AGAクリニックに雇われていたらすぐにクビになるでしょうね。

以上ミノキシジルを飲んでみた感想でした。処方される予定の方は医師にしっかり相談してみて下さいね。