コレステロール  ~低いほうが良いのでしょうか~

健診でコレステロールが高いといわれました。薬を飲んだほうがいいのでしょうか?良く聞かれる質問です。
血液検査の項目で↑や↓がついていると不安になるものです。
コレステロールと中性脂肪の基準値は,動脈硬化学会の総コレステロール値(219mg/dl以下)を使用しますが、コレステロールが高くて異常と判定されたという人があまりにも多いのです。なぜなら働く世代の男性の3分の1、女性の約半数は異常値にはいってしまうからです。

異常値の人はすぐに治療が必要なのでしょうか。
コレステロールを下げる一番の目的は心筋梗塞の予防です。
糖尿病、高血圧、喫煙歴など危険因子のスコアで心疾患のリスクが高いと判定されれば治療が必要です。

こんなデータがあります。


コレステロールは高すぎても低すぎても死亡のリスクは上がっています。

心筋梗塞のリスクが低い人は総コレステロールで大体180~280mg/dl程度(LDLコレステロールで80か180mg/dl程度)であればよいのです。このU字カーブには様々な解釈があるのは承知してますが、コレステロールが低値であればよいというものではありませんね。

循環器内科医のくせに何てこと言うのだ、と叱られそうです( ^)o(^ )。しかし心疾患を長年みてきたからこそ、しっかりリスク分類ができると自負しています。

高コレステロールが気になったら御相談くださいね。

薬が要るの,要らないのをしっかりとご説明します。

NikonD3 AF-S NIKKOR300mmF2.8