コロナワクチンと睡眠時無呼吸症候群

厚生労働省からの新型コロナウイルスワクチン優先接種についての検討案です。(1月18日)
接種順位の上位に位置付ける者の規模の推計(万人)は、医療従事者等400、高齢者3600、基礎疾患を有する者820、高齢者施設等の従事者200となってます。
(基礎疾患を有する方々が実際、優先的に接種できるかどうかはここでは触れないことにします。)

基礎疾患を有する者の中に13番目として睡眠時無呼吸症候群が入ってました。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきがうるさい・夜間頻尿・日中眠い、といった症状があります。必ずしも太った方だけではありません。喉が狭いために睡眠時に舌根が落ち込んで呼吸が止まる病気です。そうすると夜間体内の酸素が低下し、交感神経が過剰に活動します。この交感神経過活動が体に良くないのです。治療は寝るときにCPAP(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)を装着するのが一般的です。安眠枕のようなものです。

基礎疾患についてはそれぞれの関連学会から意見が提出されています。
日本呼吸器学会は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群や肺循環障害を含む慢性呼吸器疾患が該当するとしています。
COVID-19 では高率に肺血栓塞栓症を 合併するため元々肺循環障害を有する 場合には致死率の上昇が予想されます。またコントロール状態が不良の気管支喘息の患者さんや、COPDの患者さんも予後不良とされています。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関しても同疾患が COVID-19 の感染リスク、重症化リスクとも有意に高い(Mass MB. Sleep Breath  2020 Sep 29 : 1–3. )その他いくつかの報告があり、基礎疾患として加えられています。

最近、睡眠時無呼吸症候群で通院中の患者さんによく聞かれます。私の病気は基礎疾患に入るような重要な病気なんですね、と。睡眠時無呼吸症候群は軽症から重症まであり、治療としてCPAPを毎日装着している人、ほとんどつけてない人もおられます。重症と比べて軽症の方が、また治療介入をしている人の方が有病率が低かったとの報告があります。(Sleep Heath. 2020 Nov 3 )
自分が睡眠時無呼吸症候群であることを気付いていない方が多いです。いびき・日中に眠気がある方はご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の検査・治療について、【詳しくはこちら】をご覧ください。