睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断・治療|神戸市東灘区 睡眠時無呼吸症候群 神戸ベイSAS相談所

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断・治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)は自覚症状の乏しい病気ではありますが、日中の眠気、起床時の頭痛、周りの方からいびきを指摘されるなど、何らかの症状があればSASを疑うことがあります。
まずは問診によって、いびきの具合や眠気、既往歴などについてお尋ねします。寝ている間のことはご本人には分かりづらいでしょうが、ベッドパートナーがよく知っていることがありますので、できれば一緒に受診できるとベターです。

問診でSASの疑いをもった場合、まずは自宅でできる簡易検査を行います。
手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態などからSASの可能性を調べます。センサーをつける以外は普段と同じように寝ていれば測定できる検査ですので、仕事や日常生活など、普段と変わらず過ごすことができます。
簡易検査で特に重症であること(1時間当たりの無呼吸の回数が40回を越える)が判明すればこの時点でSASであると判断され、後述するCPAP療法が保険適応となります。

1時間当たりの無呼吸の回数が40回以下の場合でもSASが強く疑われるときには、基本的には病院で1泊2日のPSG検査(ポリソムノグラフィー検査)を行います。
これは簡易検査よりもさらに詳しく、睡眠と呼吸の「質」の状態を調べる検査です。入院とは言いましたが、実際には仕事などへの支障が出ないよう、仕事終わりの夜に入院して検査をし、翌朝出勤前に退院できるよう配慮されている医療機関も多くあります。 この検査では、口と鼻の気流、血中の酸素飽和度、胸部・腹部の換気運動、筋電図、眼電図、脳派、心電図、いびきの音、睡眠時の姿勢など、非常に幅広い項目を調べます。これらの項目を測定するために身体に多くのセンサーをつけますが、痛みを伴うような検査ではなく、簡易検査と同じく寝ている間に検査は終了します。
またどうしても入院による検査が難しい場合、少し精度は落ちますが自宅に検査機器を郵送してもらい、ご自身でセンサーをつけて一晩眠り、翌日検査機器を送り返す、という在宅でのPSG検査を紹介している医療機関もあります。当院でも患者さんの希望があり、在宅での検査で問題がないと判断した場合にはこちらをご紹介することもあります。
PSG検査では医師や専門の臨床検査技師などがデータを見て最終的に判断しますが、無呼吸の回数が20回以上であれば後述のCPAP治療が保険適応となります。

もちろん患者さんの既往歴や合併症などの個人的背景、症状や日常生活に及ぼしている影響などをふまえて、無呼吸の回数が20回に満たなくても治療をお勧めすることがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

SASの治療方法は多岐にわたります。まずは体重管理、寝る前のアルコールは避ける、といった生活習慣の改善をおこないます。ただし多くはこれだけで解決するのは困難ですので、医療器具による治療を行います。

最も手軽な治療としては、口腔内装置(マウスピース)によって下顎を前方に出して固定することで閉塞している上気道を物理的に広げ、無呼吸の発生を防ぐ方法です。ただしマウスピースは手軽な治療であるものの、中等度以上のSASには治療効果が不充分であると言われています。まずはご自身の重症度をしっかりと把握することが大切です。
マウスピースの作成は歯科医院で実施されているため、当院ではしっかりとSASに対する知識と実績がある歯科医院をご紹介しています。

また小児や成人の患者さんの一部で、SASの原因がアデノイドや扁桃肥大などの場合、外科的な摘出手術が有効な場合があり、こういった手術は耳鼻咽喉科で行われます。ただし手術による治療は治療効果が不充分であったり、再発してしまうことが少なくありません。これは肥満や顎の骨格形態なども原因に関わっていることが多いからです。このような場合、後述のCPAP治療とも合わせて行う必要があります。

SASで最も一般的な治療方法がCPAP(シーパップ)治療です。CPAP治療について詳しくは こちら のページでご説明をしますが、これは寝ている間にマスクを装着し、装着したマスクから空気を鼻に送り込んで睡眠中に気道が塞がらないようにする治療法です。

しかしCPAP治療は根本的な治療方法ではなく閉塞を防ぐ対症療法ですので、継続して使い続ける必要があります。また保険適応の対象となりますが、そのためには原則として毎月の定期的な外来通院が必要です。SASがなぜ悪いのかというページでも解説していますが、SAS治療の一番の目的は、睡眠中の無呼吸状態を防ぐことにより取り返しのつかない事故や合併症を未然に防ぐことです。
主治医も患者さんの人生をより良くすることを本気で考え、患者さんに合った治療をご提案しています。SAS治療は根気強く継続していくことが何より大切ですので、信頼できる主治医とよく相談しながら進めていきましょう。

CPAP治療についての詳細はこちら

検査と治療にかかる費用

SASの検査と治療には、基本的に健康保険が適用されます。3割負担の方の場合、簡易検査は約2,700円、PSG検査は入院代を別として約1万円です。
また治療については、最も一般的な治療となるCPAP治療で毎月通院していただき、約4,500円程度になります。

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